価値のパラダイムシフトを起こす〜③ 「伝泊 徳之島(天城町)」「伝泊 徳之島(伊仙町)」プロジェクト 

価値のパラダイムシフトを起こす〜③

「伝泊 徳之島(天城町)」「伝泊 徳之島(伊仙町)」プロジェクト

物語

2016年、笠利町の2棟からスタートした「伝泊」は、翌年加計呂麻島にてさらに2棟オープンさせ、徐々に奄美群島でも認知されるようになったことで、他の島からも空き家の情報が持ち込まれるようになりました。

3番目の候補の島として、喜界島に2日間の調査とヒヤリング行いながらも、観光客の流入が少なく宿泊の需要がなかったため、話はうまく進みませんでした。

4番目に訪れたのが徳之島でした。天城町、伊仙町、徳之島町の3町で構成されているこの島は、闘牛の盛んな場所で、当時世界自然遺産候補地ともなっていたことも含め、ポテンシャルの高い場所でした。特に天城町と伊仙町の行政が「伝泊」とそのまちづくりに積極的であったことで、集落住民とのコンセンサスもスムーズでした。行政の人たちと町の青年団との合同の意見交換会を何度も行う中で、建設や運営に協力したいという方も現れ、2018年6月に天城町で3棟、8月に伊仙町で3棟の「伝泊」がスタートしました。

背景・課題

徳之島は、奄美群島のほぼ中央にある離島の1つで、固有植物の宝庫として、奄美大島、沖縄北部及び西表島と共に世界自然遺産として登録が決定された。

山下の取組

2018年になると、徳之島の行政からの強い要望と、高校時代の友人がいることが功を奏し、協力的であった天城町や伊仙町で、「伝泊」の展開がスムーズに進んだ。

効果・成果

2018年6月に天城町の2棟、伊仙町の2棟がオープンし、さらに8月には天城町に「展望台のある宿」、伊仙町の町営住宅を改修した「だんだん芝生と海の宿」が誕生した。

今後の展望

2021年7月26日に、奄美大島・徳之島・沖縄北部・西表島の一部が世界自然遺産に登録されたことを受け、奄美群島の島々と沖縄への「伝泊」の展開及び台湾への拡大を視野に入れている。


背景・課題

徳之島の地理と歴史について

徳之島は、南西諸島の奄美群島のほぼ中央にある離島の1つで、徳之島町・伊仙町・天城町の3町で構成されています。カルスト地形が発達してできた石灰岩性の島で、固有植物の宝庫として知られています。

また、子宝の島としても有名で、2005年の国勢調査(5年毎)では徳之島の3町が1位から3位を占め、その後も島内3町は上位入りしています。そして、牛と牛を戦わせる「闘牛の島」としても有名で、その闘牛の歴史は江戸時代以前から、400年以上続くと言われています。

主要な産業はサトウキビ、ジャガイモ、生姜、果樹等の農業、近海漁業、黒糖を原料とした菓子、黒糖焼酎製造などです。国内では数少ない高品質なコーヒー豆の生産地としても有名な島です。

中央が奄美大島、右が喜界島、下が徳之島

山下の取組

徳之島、天城町との出会い

山下が高校時代に通ったのが、奄美大島の中央の名瀬に位置する大島高校でした。その高校は当時の奄美群島の11校の中では一番大きく優秀と言われており、その仲間との絆は今でも強いそうです。その中でも特に親しい友人に、山下の事務所の経理を担っている税理士がいました。故郷でも行政に関わる仕事を請け負い、頻繁に帰島していたこの友人の力添えも有ったことで、行政との連携、青年団との交流が大変スムーズに進みました。

徳之島、伊仙町との出会い

伊仙町は、行政のトップである町長自ら「伝泊」の導入に積極的で、集落案内もしてもらったため、使用する古民家の2棟がすぐに決まりました。そして3棟目に選んだのは、雨漏り等で古くなり、誰も住めなくなっていた町営住宅でした。町としても持て余していたものを賃貸契約し、実際に改修を進めることになりました。

効果・成果

伝泊 徳之島(天城町)

2018年6月に「サンゴ石小屋のある宿」「海亀ビーチの宿」の2棟がオープンしました。
3棟目の「展望台のある宿」は、国立公園内にあった小さな飲食店が、数年前に廃墟になったものでした。その所有者を訪ね歩き、やっとの思いで辿り着いてからもいくつかのハードルはありました。しかし、山下が奄美出身者であること、2年前から奄美で実績を重ねていたことが功を奏し、賃貸契約を結ぶことができました。

そして、日本でも珍しい、展望台のそばに立つ宿泊施設として「伝泊 展望台のある宿」が2018年の8月にスタートしたのです。

サンゴ石小屋のある宿

海亀ビーチの宿

展望台のある宿

伝泊 徳之島(伊仙町)

2018年6月に「海みるテラスの宿」「時うつろう小屋の宿」の2棟が、その2ヶ月後の8月には「だんだん芝生と海の宿」もオープンしました。

この伊仙町の3棟と天城町の2棟すべてを、伊仙町の町長からご紹介いただいた施工会社に依頼しました。その方は、非常に山下の実現したい方向性への理解が早く、工事前には実際に奄美大島の伝泊に視察するほど熱心でした。完成後は、その方のお姉さんも運営に関わることになりました。徳之島は、闘牛が盛んであることも関係しているのか、奄美の中でも特に人情深く、熱い方たちで溢れた島です。

海みるテラスの宿

時うつろう小屋の宿

だんだん芝生と海の宿

今後の展望

徳之島での展開

奄美大島と同様に徳之島も世界自然遺産に登録されましたが、このコロナ禍では観光客の流入も少なく、運営的には難しい状況が続いています。しかし、行政との協力の中、いくつかのまちづくりの案件やまちづくり推進のための助成金が確保できたため、設備やスタッフの充実を図っています。現在の唯一の正社員スタッフは、天城町の地域おこし協力隊であった時から立ち上げに手を貸してくれていた方で、現在は「伝泊 徳之島」の顔として観光客を出迎えるだけでなく、「伝泊」と町民の架け橋となって良好な関係を構築してくれています。

これからは、行政の協力のもと、天城町の平戸野集落におけるまちづくりを進めていき、「伝泊」の体制強化や質の向上を行いながら飲食サービスの充実を進めていこうと考えています。

世界自然遺産登録地域としての展開

2021年7月26日、奄美大島・徳之島・沖縄北部・西表島らの一部が世界自然遺産に登録されました。それを受けて、山下は3年以内に奄美群島の他の島々や沖縄への「伝泊」の展開を考えています。
また、2019年より台湾の大学と九州大学との連携したワークショップや短期留学制度を、山下と2大学の教授のプロデュースにより展開してきました。この連携を活かし、ゆくゆくは「伝泊」を台湾までひろげることで、歴史的にみて縁の深いこの地域が再びつながっていくことを目指したいと思っています。

文責:奄美イノベーション 広報部


<本プロジェクトの受賞歴>

2020年 第6回ジャパン・ツーリズム・アワード「国土交通大臣賞」「UNWTO 倫理賞」受賞

<本プロジェクトの掲載情報>

●雑誌・新聞

2021年1月号ANAグループ機内誌「翼の王国」

日本経済新聞2019年12月24日付

日本経済新聞2019年12月12日付、未来面「地方で育む日本の未来」

JALカードの会員向け情報誌「AGORA」2019年10月号

日刊工業新聞2018年3月30日付

「日経アーキテクチュア」2018年4月12日号

●書籍

発行公益社団法人日本観光振興協会季刊「観光とまちづくり」

日本離島センター「季刊しま」

●web

「地球の歩き方」ホームページ、「伝泊 古民家」の「はたおり工房のある宿」掲載

「YOLO」

「FUTURE IS NOW」

 観光産業ニュース「トラベルボイス」

デザインのWEBメディア「URBAN TUBE」

 「URBAN RESEARCH MEDIA」

「URBAN TUBE」

「コロカル」

●TV

MBC南日本放送




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